重箱

好きなものをつついていく

20190818ディズニー・ダイニング・ウィズ・ザ・センス~ディズニー映画『アナと雪の女王』より~

@ディズニーランドホテル、シンデレラドリーム(大宴会場)

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目隠しをした状態でコース料理を食べつつ映画の世界を楽しむという珍しい催し。2月の初演は逃したので今回再演に参加できて本当に良かった。
結論から言うと、アナとエルサの姉妹の繋がりが好きな方々は全員行った方が良い。再々演があったら逃さず行くべき。


!!注意!!
この記事には表題のプログラムについての詳細なネタバレが含まれます。
また、参加から数日経ってからのレポなので記憶違いや順番の混同がある場合があります。

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手を引かれてアレンデールへ

チケチェックの後に小部屋で同意書にサイン、ほどなくしてプレショー。
マジカルシェフを名乗る仮面イケボシェフが世界観の導入の説明をしてくれる。魔法のクロッシュ(銀色のドームカバー)の力で魔法の世界に連れて行ってくれるらしい。
会場に移動する前にマジカルシェフと記念撮影ができますよという流れでキャストのお姉さんが朗々とした声で「興味のない方はお先にこちらへどうぞ!」でひと笑い取ってくるのずるい。


会場入り前にアイマスク装着、それぞれ腕を引いてテーブルまで案内してもらう。用意ができたら最重要アイテムおしぼりの位置とグラスの位置を確認。
何も見えていない状態で周りの状態を想像するのは未体験で楽しい。隣に座った見知らぬ人たちともマジカルシェフの計らいで挨拶をする。


準備が整えばまずは小手調べ。いつの間にかテーブルに現れたお皿の中身を手づかみで食べる。視覚が遮られている分、形状や味、歯ざわりなどで自分が何を食べているかを考えるのが新鮮な体験だ。
そしてアレンデールの夏の訪れを祝うパーティが始まる。


今回の舞台は、夏の訪れをお祝いするパーティーが開かれているアレンデール王国。ゲストの皆さまには、そこで振舞われた料理をお楽しみいただきます。


公式のこの文言、始めるまであまり深く考えなかったんですよね。アレンデールの晩餐会に招待されてるとか冗談で考えてたけど、席についてマジカルシェフの声だけの説明を聞いてるうちに思ったんです。
これ、姉妹やオラフが自分の周りで話したり歌ったりするんじゃないか?


果たして全くその通り。この催しのためにアナが、エルサが、オラフがクリストフがハンスが、ストーリー仕立てでしゃべるしゃべる。
酔ってたのでアナがしゃべる度に「かわいい」「かわいい」言いすぎてアナかわいいbotがいると言われたのはわたしだ。
スヴェンが自己紹介する時に顔に鼻息がかかったのにはびっくりして椅子から飛び上がった。周りでも悲鳴が次々上がっていた様子を聞くに、スヴェンは同時多発的トナカイだったらしい。


「皆さんが幸せそうなのを見るのがわたしは嬉しいです」
「あたしはエルサが幸せそうなのも嬉しいけど」


という姉妹のやりとりをぶっこまれながら(はあん?)コース料理は続く。
登場人物やマジカルシェフの会話のやり取り→劇中歌が流れる→魔法でサーブされた料理を味わうという流れの繰り返しなんだけど、本当にお皿はいつの間にかテーブルに出現しているし、食べ終えた皿はいつの間にか無くなってしまうし、ドリンクは知らぬ間に別の味に変わっていているしで単純なことなんだけど、それが本当に魔法のようだった。


ハンスが出てきてマジカルシェフとやりとりするのは意外だった。「アナへの僕の気持ちは、変わっていないさ」とかいうどの口が抜かす的な台詞があって驚いた。記憶を失ったかのような理想の王子様的振る舞い。突然のハン→アナに動揺が走る。ハンスの新録セリフはディズニーランドのイベント「アナとエルサのフローズンファンタジー」以来?Frozen2にはハンスは出て来ない可能性が高いから、ハンスファンには貴重な機会だったかもしれない。


見えない分料理の具材は想像するしかないんだけど、北欧料理という前知識と舌が貧弱なせいで魚はなんでもかんでもサーモンに思える。同じテーブルの人たちと「ホタテがいる」「います?」「いたいた」「私のとこいないんだけど」みたいな会話をするのも楽しい。


3つのパンと棒状のものでオラフを作ろうのコーナー。立体福笑いみたいな感じで髪の毛と手と鼻を刺していくんだけど童心に帰るってこのことかな……。子どもの頃粘土遊びや工作をしてた気持ちを思い出した。もし周りの人から見られた状態で作ってたらあんなにのびのび作れなかった気がする。出来上がりが見られないことだけが残念。


パーティの途中ではしゃいだオラフが魔法のクロッシュをひっくり返したために、過去のアレンデールに連れていかれる我ら。本編のたくさんのセリフの断片が聞こえる中、アナの「あたしが何をしたって言うの?!」の言葉に胸が痛い。どうやらエルサが城を飛び出したシーンに連れていかれたらしい。
Let it Goのイントロが流れる中、足元から冷気が忍び寄る。いつの間にか凍りついているおしぼりに会場からどよめきがあがる。肌寒い風の中、マジカルシェフが提供してくれたスープの暖かさが体に優しい。まずは器を持ち上げて飲んでください、と言われてスープを飲みきった後に、「それだけではないんです」と言われて器をスプーンで探ると、茶碗蒸し?のようなプルプルの食感の、あたたかく柔らかい海鮮の入った蒸し料理がそこにある。見えないことを武器に料理をエンタメとして提供してくれるその姿勢に驚きは続く。


サーブされるデザート皿も凍りついている(それはそれで美味しい)。エルサが真実の愛の行いを理解して氷を溶かす術を知ったように、「あなたの大切な人を思い浮かべてください、皆さんのその想いが夏のアレンデールに戻る力になります」とマジカルシェフの言葉に促されて、会場全体が思い思いに大事な人を思い浮かべる。雪どけのナーナーナヘイヤーナが流れると同時に、体の前面がじわじわと温かくなる。一人一人の目の前に夏の太陽が輝いているようで、アイマスクの端にかすかに光が見える。ようやく夏のアレンデールに戻ってこられた頃には、デザートにも雪解けが訪れている。変化した食感を楽しんで、全11品の料理は終了。


その後アレンデールの面々からの来てくれてありがとう的な別れの挨拶があるんだけど、その締めくくりが


「大好きよ、アナ」
「あたしも!」


という姉妹の会話だったことを記しておきます。


ねえ!!!!
音声だけ売ってください!!!!!


答え合わせと引き出物

またひとりひとりアレンデールから現実のディズニーホテルに連れられた後、別室で先ほど食べた料理を見て答え合わせすることができる。
想像通りの料理だったり、陶器だと思っていた食器がガラスだったり様々だったけど、一番違っていたのはコース全般が思った以上にカラフルだったこと。食べながら「見えないから彩りとか考えなくていいんじゃないか」とか言ってたことを反省した。


最後にオラフのシルエットが刻印されたグラスのおみやげをいただいて終了。
価格設定がお高めなこともあって少し悩んだけど、参加できて本当に良かった。
サラダとドレッシングをパイ生地の上に乗せて崩しながら食べる料理が楽しかったり、食べてみるまでそれがパスタだとはわからなくて一気に口の中に入ってきて笑ってしまったり、しょっぱめのデミグラスソースのかけられた肉料理の中にあったなんらかの野菜の甘みが心底美味しかったり(食べ終わってもなんだかわからなかったけど多分桃だろうとのこと)、確かにそのままコースを食べるよりも頭と舌をフル回転させることになるので、心地よい満腹感と疲労で大変満足しました。ホテルのキャストさんたちもみんなプロでした。彼らの力がなければ魔法はすぐに解けていたに違いない。


何より新鮮な姉妹の姉妹らしさを浴びることができて幸せだった。行けてよかった。ありがとうディズニーホテル、ありがとうマジックシェフ。


アナ「ありがとうマジックシェフ!」
シェフ「『マジカル』シェフです」
アナ「あっ……ごめんなさい」


こういうやりとりもあって可愛かったです。
再々演待ってます。
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