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20190226トークイベント「終着駅のその先へ」(1)

このレポートはわたし461のメモと記憶に頼って書かれたものであり、登壇者の発言の真意を汲み取れていなかったり、誤解や記憶違い、話の順番の入れ替え、無意識の捏造や省略がある可能性を踏まえてお読みください。

 

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20190226 トークイベント「終着駅のその先へ」(2) - 重箱

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開演前

会場を温めるために開演30分前に楠編集と合田総作画監督が登場して「この修正原画は何話のものでしょうクイズ」。20枚くらいはやったかな?中には合田さん本人すら分からなかったものも(後ほど8話と判明)。

 

登場

座り位置左から長野P、合田総作監、加藤監督、仲谷先生、楠編集、山下P。カイツブリの頭の人段差で引っかかってヨロヨロしてるけど大丈夫なの?(息苦しそうだなと思ってたらどうも出オチ担当ですって言いながら脱いでたから安心)

 

第一部

原作の話の作り方について

仲谷先生と楠編集が主に語る。
プロット→脚本→ネーム→原稿の順で作る。楠氏の担当している漫画家さんは全員そういう作り方をしている。
一巻ごとに山場を作るやり方をしている。

 

プロット

20話のプロットをスライドで写しながら解説。
生徒会劇は初めは友人エンド、堂島役の語る少女像を選ぶ可能性もあり、結末に迷う様子も描かれていた(沙弥香の「堂島くんにもっていかれるのは悔しいけどそれも燈子らしい」というセリフ?モノローグ?もあった)。
そこはバッサリ切った。脚本の結末に悩む展開は、後の侑の決意する脚本の改変にまとめた方がよいという理由。

楠編集「仲谷先生のプロットはハテナが多い」
展開を決め切らないで持ってくることも多いという。

22話のプロットも写す。確かに文章中にハテナが多い。
以下読み取れた限りのプロットと脚本
「いちゃいちゃがうまく組み立てられなくてうーん」
「侑の言葉攻めターンにしたい」
「汗臭くない?とか下に親いるんですからね?とか」
「『侑は私のこと好きにならないでね?』『わかってますってば、何回目ですか』」

 

「わたしの●●なもののこと、嫌いって言わないでよ」
のモノローグは既にプロットの段階で考えられていた(仲谷先生の案)。
楠編集「これアニメ化の話が来た直後に出したプロットなんですよ!」

 

ネーム

ベッドシーンのネームを写しながら
キス後のページは当初仲谷先生が特に何も考えず枠線を斜めにしていた。こういうものを持っていくとすぐ楠さんに怒られる。

 

清書

清書してからも修正が掛けられる、という話で『あの人を変えたい』のページの修正前原稿が写される。
プラネタリウムを持つ侑のコマは背景がなかったが、背景ありに変更。理由は背景がないと不穏に見えるのと、背景を描いて現実感を出した方が、侑の顔に映る星の光が映えるから。ここにカーテン含む背景を描いたことで、その上のコマ(ここには当初カーテンが描かれていた)を別のものに変更する羽目に。

 

1巻あとがきではコミティアで声を掛けてすぐ話がまとまったように描かれているが、実際は一年かけて仲谷先生を口説いた。
初めは編集部内でも百合作品の連載を疑問視する声があったが、編集長のOKが出た。編集長に本当にいいんですかと聞いて「だって自信あるんでしょ」「はい!」というやりとりがあった。

清書には●日くらい掛けているという話も出たが本当はもっと●週間くらい掛けたい(もしかして具体的な日数出さない方が良いかもしれないので伏せておく)。実はアニメのおかげで話の流れも作画もハードルが上がっている。アニメを見た人にあのあとつまんないなーと絶対に思われたくない。今はアシスタントなしで完全に1人でやっている。37,38,39話は本当にやばかった。

 

アニメについて

原作側にスタジオはどこが良いかと聞かれた時、トロイカがよいという声で一致した。
長野P「●●(有名スタジオ)とかあったでしょー?」というツッコミに、トロイカが作った『アルドノアゼロ』を見ていたからだという楠編集。

 

監督に、作品の自分の色を出したいと思ってますか?という質問。
語り過ぎず、劇中にあるものでキャラクターの心情を伝えたい。色を出すとクリエイターのエゴが出て重くなるから辛くなるので敢えて意識はしてない。
「とにかく明るい加藤」は寿さんが言い出したもので、ラジオなどであんな前フリをされたら普通に加藤ですと名乗るのもどうかと思った。
楠編集「でも気に入ってるでしょ?」
加藤監督「気に入ってます!」
監督次回作と納品がかぶって人って48時間働けるんだと思った。

 

9話キス音のこだわりについての話。楠氏ヘッドホンで聞いてひっくり返った。
長野P(たしか)「あれでも減らした方だよね?」
寿さんがエロ峠シーンの後によく言う「フゥー!」は、普段は仲谷先生が見てる部屋の方には聞こえてこない(マイクを切られてるから)のに、9話だけはフゥー!が早過ぎて聞こえてきた。

 

キャスト

寿さんは以前PVに出ていたこともあり、他の候補も検討はしたが一番早く決まった。侑はテープオーディションでは決まらず候補を10人ほど呼んでディレクションもしてスタジオオーディションをした。そこで一番最後の高田さんの演技を聞いて決定した。
キャストのスケジュールの兼ね合いもある。しかし山下P「燈子と侑は一緒にアフレコしないと意味がないんです」。

茅野さんは沙弥香第一候補だったがスケジュール的にどうかというところだった。だって茅野さんあのクール何役やってると思ってんだよ!みたいな誰かの発言あり。

 

音楽

大島ミチルさんは山下Pが連れてきた。この作品はピアノが合うという話からピアノ曲のいい人で候補をあげたら山下Pと誰か(監督だったかな)の第一候補が大島さんで一致。大島さんにやが君の話をしたら「わたしも学生のころこういうことありましたー」と言われたという発言に会場どよめくが大島さん本人のことではないとのこと。
サントラはニューヨークで録音した。

 

3巻コメンタリーは茅野さんが「佐伯沙弥香について」を読んだ次の日だった。山下Pが圧を感じるほどの茅野さんのささつ読みましたアピール。
仲谷先生「あれ茅野さんの声だから誤魔化されますけどただのオタクですよ」

 

作画

色彩用の資料をスライドで写しながら、
合田総作監「(自分が作った)キャラ表見なくていいから原作読んで!って言ってた」合田さんの原作は読み込みすぎてボロボロ。
仲谷先生「こんなに私の絵柄に合わせてもらっていいのかな、と思いつつ修正バンバン出しました」
楠編集「合田さんくらいの人が仲谷先生に『絵の描き方(瞳とか)教えてください』ってくるのは凄い」
合田総作監、百合ものだけど人間ドラマとして見て欲しかったので清潔感に気をつけた。制服の胸の影など。そこに目が行くのは違う。

侑燈子に関しては瞳のハイライトが2色ある(色忘れた)。原作のカラー絵を参考にしたそう。

KURAGE Tシャツの絵を見ながら楠編集「グッズ化の要望募ったらKURAGETシャツの希望がめっちゃ来たんですけどね、そんなの(そもそも自分たちから希望を)出してないわけないじゃないですか!」

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まだ1/3…。

22話プロットの「下に親いるんですからね?」が衝撃的すぎた。けもの扱いかな。
でも一番驚いたのは
「『侑は私のこと好きにならないでね?』『わかってますってば、何回目ですか』」
のやりとりだな…あんな呪いみたいな言葉をプロトタイプ燈子は何回侑に投げつけたんだ…。

ロフトのスタッフが「平日に売り出した平日のイベントで即完売すごいね」みたいなこと言ってたのが印象に残った。

開演前のクイズ、一回は正解したけどシーンで覚えてても何話と聞かれるとわからないものも多い。簡単なもの難しいもの沢山あったけど、一番テンション上がったのは9話キスシーンの原画を連続で見せてくれたこと。合田さんすごいな!!

最終的に160人入ったそうだけどあの全員がやが君ガチ勢だと思うと震えた。凄い引力のある作品なんだな。

 

20190226 トークイベント「終着駅のその先へ」(2) - 重箱