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好きなものをつついていく

20190226 トークイベント「終着駅のその先へ」(3)

このレポートはわたし461のメモと記憶に頼って書かれたものであり、登壇者の発言の真意を汲み取れていなかったり、誤解や記憶違い、話の順番の入れ替え、無意識の捏造や省略がある可能性を踏まえてお読みください。

 

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20190226トークイベント「終着駅のその先へ」(1) - 重箱

20190226 トークイベント「終着駅のその先へ」(2) - 重箱

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第二部

アンケートで提出した質疑応答コーナー

まるっと解説してくれるなんて誰も知らないのでOPに関する質問がとても多かったとのこと。

 

Q. 毎回アフレコに参加したそうですが面白エピソードなどあれば教えてください(仲谷先生へ)

12話線香花火のシーンで誰かのお腹の音が被りまくる話(BDブックレットなどで既出)。沙弥香のセリフごとに鳴るからみんな茅野さんだと思っていたら朱里役の寺崎さん。結局撮り直しになったけどキャストの人たちがみんなどやどやミキサールームにやって来てお腹の音を聞いていた。(大体声優さんは昼休みの時間から終わりまでが長いのでみんなお腹は鳴りがちだという。)
他のアフレコ現場だとふざける声優さんもいるみたいだけど?という質問に、やが君はそういう人はいなかった。寿さんのフゥー↑↑くらい。


Q. 皆さんは自分がやが君の誰に似てると思いますか?
仲谷先生、自分の描くキャラクターにはどうしても少しずつ自分の要素があるのでむしろ似ないようにしている。好感度下がるかもしれないけど自分が描いてないという点で『佐伯沙弥香について』の柚木千枝に共感できる部分もある。
楠編集「仲谷さんの好感度めちゃ下がった」

 

製作で大変だったこと(メモ漏れ)
※ここでの話か分からないけどとにかく年末はトロイカ始まって以来のバタバタさだったという話。
加藤監督「机の下が僕の家でした」
9話の体育倉庫のキスシーンを深夜2時におじさんたちが集まってチェックしていて気恥ずかしかった。
7話は別のスタジオに任せたいわゆるグロス回だけどそこは少数精鋭で一人で何役もやっていてすごい。

 

『rise』の使いどころは完全に音響監督のジャッジ。今時の体育祭ではJ-POPを流すところも多いので、riseはそういう感じで使うものだと思って音源を渡したらぴったりだったから挿入歌として入れたと言われ山下Pびっくり。

『好き、以外の言葉で』について。12話の時点で「このOPEDが見られるのもあと1話か」という感想をどなたかが見て、「どっちももう流れねーけどな!」と思った。KADOKAWAさんが寛容。

 

この作品はいわゆる特殊EDが多いですよねという話に
加藤監督「ぼくが尺内に納められなかったからですね」そこは狙ってましたって言えよ!と総ツッコミ。

6話の特殊EDの凄さについて。ただロングバージョンなだけでなく、歌詞に沿った映像になってる!!!と夜中に映像を確認して感動した楠編集、監督(だったかな?アニメサイドの人)に長文メールを送った。気がつけば7時だった。

 

6話絵コンテと本編で、サブタイトル「言葉で閉じ込めて」の出るタイミングが違うという指摘。
※本編では、「どうか侑」(街灯が明滅)サブタイトルが出ると同時に「私を好きにならないで」
絵コンテでは…BD2巻の特典をどうぞ。
加藤監督「あれは(絵コンテの)あおきえいへの最後の抵抗です」
監督のあおきさんへの尊敬とライバル意識が見てとれる発言。

 

Q. 8話紫陽花のシーンについて聞きたい、また何色が好きかの答えはなんだったのか教えてもらえたら。
言葉のバトンタッチをやりたいよねという花田脚本からの提案。ピンクと青はOPの通りで、白は沙弥香(=「寛容」)。
各キャラの答えは言ってなかった気がする。

4巻の映像は放映版からだいぶ直っているのでお楽しみにとのこと。

 

Q. 3話Aパートの最後、アニメオリジナルの侑の口パクはなんて言っているのか?
楠編集あれは簡単でしょ?と言うけど客席は自信なく挙手なし。
答えは「わたしは」。
大好きだよ、と伝えてくる燈子に対して侑がわたしはどうだろう、と考えている。
楠編集「わたしも」仲谷先生(かぶせぎみに)「わたしは、です」

 

Q. 10話「昼の星」の短冊シーンの暗転は何を表しているんですか?
加藤監督「侑が自分の気持ちに対してシャッターを下ろした」

 

Q. 沙弥香は読書好きだがフィクションを読まないのは創作全般に興味がないのか?
仲谷先生曰く、自分を高める意識が強いのでどうせ読むなら役に立つものを読みたいと思っているから。

 

Q. 最終回を水族館にすることを迷いませんでしたか?
加藤・仲谷・楠「迷いませんでした。むしろ劇までやったらモヤモヤするよ」
山下P曰く一番最後まで迷っていたのは自分。アニメで初めてやが君を見た人があれだけ劇をやるやるって言ってたのにやらないのか!ってなるのは当たり前。でも後日、原作の展開を読んでこれはモヤモヤするわ、と納得した。

原作のエピソードを飛ばし飛ばしでやれば劇までいけないこともなかったが、それはせずに原作を追っていくことにした。
合田総作監から、でもアニメ化の話が始まった頃はまだ原作も水族館までいってないよね?と質問があったが、アニメ製作側は最新話より先の展開を原作側から伝えられて考えていたので、初めから水族館までという話だった。

 

Q. 描いていて楽しいシーンはありますか?
仲谷先生、エロ峠的なシーンは楽しい。編集からの修正もあまりかからない。アニメでいうと9、12話あたり。
加藤監督、絞り出してる感じなので楽しくはない。どこまで自分を追い込めるか、生きてる実感という意味ならとてもある。
合田総作監、合宿って、すごい……のところ。(会場沸く) だってどうせこれ湯気で隠れるんでしょ?!と思って描き込んだのにいつの間にか修正されてつるんとした胸になってた。

 

合田総作監のジャケット原画に必ずいる槙くん

ヘクトパスカルの頃までは仲谷先生もこれ本当に槙くん描くんですか?と確認してたがやがて誰もツッコまなくなった。

衝撃的な4巻パッケージ。

ちゃんとパースまでとって侑と燈子の寝そべるベッドを前に正座して湯呑みを持つ槙くんの姿。

楠編集「お茶飲んでんじゃねーよ!!!
会場この日一番の盛り上がり。

槙くんがみてる原画、トロイカツイッターで載せればいいんじゃない?みんな見たいだろうし。という話あり。いつか見られるかも?
TROYCA Inc. (@troyca_inc) | Twitter

 

プレゼント抽選会

最後の抽選会、仲谷先生と加藤監督のサイン入り台本全13話13冊が一冊ずつ当たるもの。当たった人の早い者勝ちで選ばれていく中、7話の台本が中盤まで残ることに疑問を抱く楠編集。

 

最後のあいさつ

印象的だったとこ抜粋
楠編集「明日日付が変わって、0時になったら電撃大王の発売日。原作組!覚悟はできてるか!!!!」
仲谷先生「無理に0時に読まなくてもいいよー」

仲谷先生曰く、ディープでマニアックな話で盛り上がってくれて本当に嬉しかったです。原作者としてこんなに幸せなアニメ化はないと思う。

加藤監督曰く、放映中は一切エゴサをせずに、13話が終わった後に感想を見た。細かく考察してくれる人たちがいることをありがたく思う。この作品で、加藤誠という人物がこれで認知されたと思う。
加藤監督に任せてよかったと思ってもらえるなら命をかけられる。
(細かい言い回し忘れてしまったけど2期やりたい、的な発言で会場拍手喝采

山下P、海外で売れてても一番力があるのはBD、DVDの売り上げ。この会場にいて買ってない人はいないと思うけど(笑)
楠編集「でもめっちゃ売れてるよね」
山下P「売れてます!でもまだすぐに2期とまではいかないのでダイレクトマーケティングしますけど布教してください」

監督は実際に使った絵コンテ(? よく見えなかった)を何枚か持ってきていて、会場で回し見するつもりだったのに楠さんと合田さんにすっかり呑まれてしまって出すタイミングを失った。

 

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以下前回の書き洩らしとか印象的だった言葉とか

原稿のネームの直しの話、「あーん」のあといきなりアイスが袋から出てるコマを描いていたら楠編集に「ちゃんと袋剥いてるところ入れて」と修正かけられた。

仲谷先生「根拠もなく自分は漫画家になるものだと思っていた。幼稚園の頃から」
合田総作監「俺アニメの仕事するんだと思ってたの小学校の頃からだから負けた」
ツッコミ「なんでそこ張り合うの」

 

楠編集「原作のサブタイトル全部使うアニメって見たことあります?!」

 

仲谷先生「日本酒ライム」
楠編集「それもメモ取られてるよ」

 

楠編集「百合姫さんとは仲良しです」

 

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だいぶ押して3時間くらいで終了。
アニメのイベント行ったのは初めてだったけど、出てくる話がどれもこれも濃すぎて最高に楽しかった!

仲谷先生は飄々としながらも負けず嫌いで熱い芯を持ってる天才肌の人だと思ったし、楠編集はいい意味で暑苦しかった。どの会話に入っていってもうまく受けてさばいて返すし有能さをひしひしと感じた。加藤監督はラジオの印象よりおとなしめだったけど言葉の使い方がてらいなくまっすぐで眩しかった。「二人の愛は永遠であってほしい」って、メモするこっちが照れる。合田さんは喋り始めると止まらなくなってて長田さんは安心できるその道のプロって感じで司会進行してた音大卒山下さんは缶バッジだらけだった。それでも授賞式(打ち上げだっけ?)より減ったらしい。高田さんと寿さんにあげたんだって。

プロットや色彩設定などの普通は表に出ない資料を見せてくれたのも楽しかったけど、とにかく製作陣の熱を感じたのが個人的にとても大きかった。
みんなが作品の良さや持ち味を理解して、この作品をできるだけ多くの人に届けたいと思い、全力を尽くしてるのが肌で感じられるイベントだった。

本当に行けてよかった。こういう場を設けてくれてありがとうと言いたいです。書いちゃいけなそうなとこは書いてないつもりだけどなんかあったら教えてくださいクスノキさん。
今回行けなかった人も行けるように、また製作陣が語るイベントを心待ちにしています。

 

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